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ぶどう膜炎


ぶどう膜炎とは眼内の血管膜における炎症過程。

まずは目の基礎的解剖を知っておきましょう。目の最外層は透明な角膜と白い強膜で眼球形態維持に役立っている。最内層は神経層もしくは網膜、中間層がぶどう膜といわれる血管に富んだ層で、虹彩、毛様体、脈絡膜から構成される。その血管に富んだ構造ゆえ、ぶどう膜は体の他の部位からの影響を受けやすくなっている。炎症がぶどう膜の特定の部位を侵した場合、それらは虹彩炎、毛様体炎、脈絡膜炎と分類される。もしぶどう膜全体に炎症が及ぶと、全ぶどう膜炎と呼ばれる。

診断

ぶどう膜炎は漠然とした症状がみられる。例えば、過度な瞬目、目を細めたり、水様目ヤニ、羞明がみられるが、眼球自体にこれと言った変化は見られません。進行したケースでは、特殊な眼科検査機器を用いずともその変化に気づきます。目は鈍く濁り、赤みががって見えるかもしれません。それは角膜病変や眼内病変によるものでしょう。ぶどう膜炎は通常、眼科検査機器を使った眼科検査によって診断されます。それらの機器によってぶどう膜を照らし倍率をあげての観察が可能になります。診断が下れば全身性の評価が行われます。それはぶどう膜炎が全身性の病気の初期病変の可能性があるからです。その検査には血液検査など疑われる病気に対して選択されていきます。眼科検査はスリットランプと眼圧計を使って、目の内部を精査していきます。眼内圧は毛様体から産生される眼房水によって維持されているため、毛様体に炎症が生じると房水産生が低下し、眼内圧も低下する。産生された房水は正常な状態では隅角に流れ出ていく為、ぶどう膜炎で生じる炎症産物が慢性的な炎症時に徐々に隅角(排出口)を閉塞させると排出障害が生じ眼内圧を上昇させる。ぶどう膜炎が解消されても、隅角(排水口)が閉塞されたままであれば高眼圧はそのままであり今だ失明のリスクは消えない。ぶどう膜炎治癒後の眼科検査が軽視されてはいけない理由である。ぶどう膜炎と言う病気の過程で、角膜潰瘍や眼球感染症、角膜瘢痕、角膜血管新生、角膜ミネラル沈着、白内障、網膜剥離、乾性角結膜炎が生じることがある。

原因

ぶどう膜炎は多くの病気に付随してみられる。例えば、猫白血病、猫伝染性腹膜炎なども含まれる。 猫の引っかき傷などの穿孔性外傷ではぶどう膜炎が併発している。また、ぶどう膜の炎症は水晶体嚢の裂傷や、水晶体淡白が漏れ出している白内障をもった子の眼内でも生じている。他の原因として細菌感染、免疫介在性疾患、寄生虫性疾患等がある。原疾患が確定されていればそれに対する治療を行う。感染症が原疾患になってないかを確り検査することは重要であるが、75%の症例で原因は確定されない。

治療

ぶどう膜炎は積極的に治療されるべきです。それにより、緑内障の発症、ぶどう膜の瘢痕化を防ぎ、失明も防げる。根底にある個々の原因に応じて治療される、個々の炎症を管理する。非ステロイドとステロイドは炎症過程を抑える。ステロイドは眼瞼下注射、点眼、経口投与など疑われる原因によって使い分けられるが局所投与については、角膜表面に傷害があれば延期されるべき。角膜潰瘍の治癒を遅らせるためである。ある種の全身性疾患が疑われれば、経口ステロイドは検査結果がでるまで待つべきである。アトロピンは虹彩を開かせ、虹彩の癒着を防ぐであろうが緑内障があれば禁忌である。房水の排出を更に減少させてしまうからである。眼内に細菌感染が認められた時には経口、局所抗生物質が投与される。

予後

ぶどう膜炎の治療には、原疾患を突き止めながら炎症を抑える事が要求される。多くの検査が行われ、それに基づいた適切な治療を行います。治療はまた、生涯にわたる局所、経口治療が必要となる場合があるが、生涯の局所治療はめったに合併症を誘発しない。概ね5%未満である。経口投与薬のなかには行動の変化、胃腸障害(下痢、嘔吐、食欲減退、渇き)、過呼吸、白血球減少、血液生化学的変化(肝臓、腎臓など)をもたらす可能性がある。症状をよく観察し、定期眼科検査を受け、血液チェックを行うことがそれらの合併症のコントロールに役立つ。

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