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犬のチェリーアイ①

  • animaleyeclinic
  • 2017年4月4日
  • 読了時間: 2分

サクランボの目?と思われるかもしれませんが、獣医業界では瞬膜腺が突出している状態のことを言います。1歳未満で発症する事の多い症状で一種のヘルニアと考えられています。初期で軽度な場合は押し戻すとおさまってしまうこともありますが、徐々に戻らなくなり、ずーっと出っ放しになっていきます。そもそも、瞬膜腺とは涙の分泌腺で犬では全涙液量の1/3を産生していますので、その分泌腺が露出し炎症を起こすと涙液産生量が徐々に減少し、最終的にドライアイになるリスクが上昇してしまいます。

まだあどけなさの残る1歳未満の子で発症し、病院に行くと手術を勧められます。全身麻酔で目にメスを入れます。怖いですね。術式には色々あるのですが、一般的にはポケット法といって線組織には一切メスは入れず、元の位置に埋め戻す術式が選択されます。成功率は80%ですので20%で再発します。飼い主様には心配をかけてはならないという配慮から成功率が高い手術とアナウンスされる事が多いと思います。

写真はチェリーアイの犬(左、中央)。瞬膜をひっくり返した状態(右)。

ここでジレンマがでてきます。成功率を最優先する術式を選択すると元々の目の機能を損ねる結果となることがありますが、飼い主様は気が付きません。逆に目の機能を最優先すると、再発リスクがあがることがあります。再発させれば飼い主様は気が付きます。

当クリニックでは、手術に当たって、目の機能を最優先させる術式をお薦めしております。

手術をご希望される飼い主様とは、しっかりと相談のうえ術式を決定いたします。

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