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犬の角膜疾患{自然発生性慢性角膜上皮欠損(SCCEDs)、難治性角膜潰瘍}

  • animaleyeclinic
  • 2017年4月7日
  • 読了時間: 2分

自然発生性慢性角膜上皮欠損(SCCEDs)、難治性角膜潰瘍とは、角膜の最表層(上皮)がはがれ、その痛みによる羞明と流涙がみられる難治性の角膜疾患です。

角膜には神経が密に分布しており、とくに最表層(上皮)には分布が多く、非常に敏感な部位です。その部位が剥離してしまうと、強い痛みが生じます。瞬きをするたびに、はがれた部位が引きずられ痛みを出します。一日に何度瞬きするでしょうか?考えただけでも痛い病気です。

困ったことに、通常の角膜損傷の治療をしても治りませんので、「全然治らない!!先生どうなっているの?」と思われることが多いと思います。実際、獣医師からも「これどうなっているの....治療法教えて....」と相談されることや、「処置している所見学させてほしい...」と持ちかけられる事が多いです。それではどうやって治すのか?角膜表面の処理をしてから針で角膜に溝をほります。「え?........」。

それでは、写真を使って説明いたします。

上の写真は、担当医が処置をしているところです。私が監督/指導/写真撮影/役です。

1段目左:右眼の拡大像。角膜全体に混濁があります。

1段目右:全身麻酔。右眼の角膜上皮(最表層)を綿棒で取り除いています。

2段目左:ピンセットで眼球の位置を調節して、取り残しの無いよう隅々処置します。

2段目右:滅菌注射針を使って角膜に溝をほります。

3段目左:角膜全体に溝をいれた状態。

3段目右:双眼スリットランプを使って溝の確認を行います。

所要時間は数分です。

老齢犬、心臓疾患、腎臓疾患等で麻酔が怖いという方はご相談ください。

条件を満たせば、麻酔なしで処置を行えます。

因みにアメリカでは、外来中の処置として、点眼麻酔のみで行っております。

最後に、針を使わない処置方法もございます。

無麻酔で針さすなんて怖い!!、麻酔をいれたとしても角膜に針さすの???とご心配な方もご相談ください。

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