猫の伝染性腹膜炎(目の症状)
- animaleyeclinic
- 2017年4月9日
- 読了時間: 2分
1歳の猫です。
写真左:右眼の色が変わっています。
写真右:右眼拡大像。角膜の濁りがあり、虹彩の色合いも変わっています。
眼内炎の症状です。
原因としては①感染症、②腫瘍、③その他(免疫等)あるのですが、①伝染性腹膜炎ドライタイプを否定しておかなければなりません。
「どうしてか?」
死に直結する病気だからです。
伝染性腹膜炎があるか否か診断を下すには抗体価測定を行います。
「それ何?」
→伝染性腹膜炎を発症させるウィルスに感染していれば、猫の体内でそのウィルスに対する抗体が作られます。それを逆手にとって、血液検査で一定量の抗体をみつけて、感染している証拠にするのです。
→感染を調べるための抗体価検査です。
この子は抗体価が跳ね上がっており、感染が強く疑われます。
全身の治療はお任せして、自分は目の不快感を軽減させる為の治療を始めました。
1か月後に再診です。
その時の写真が下にあります。
写真左:猫の顔全体像。
顔つきが悪くなっています。
覇気がありません。
しんどそうですね。
写真右:右眼拡大像。
角膜の濁りは減っています。
虹彩は変わらずです。
目の治療には反応してくれましたが、両目とも失明しています。
問題なかった左眼も見えなくなっているのです。
総合的にみると悪化で、重篤な状態です。
そして、1か月後、この子は亡くなりました.........
目の病気で死亡?
いいえ、この子は全身にウィルスが回って、目に症状が出て、脳にまで広がって、死んでしまいました。
まとめ
目の異常で病院に行っているのに、全身の検査を勧められる場合があります。
検査を勧められた時は必ず説明を聞きましょう。これも早期発見につながります。
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