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犬の角膜潰瘍(結膜フラップ術)

鼻ぺちゃな犬種(短頭種)はよく、角膜に傷をつけてきます。

困ったもんです。

以前にも投稿しましたが、角膜は0.5-0.7 mmしかない透明な薄い膜です。

透明なだけあって傷を治す血管はもともとありません。傷の進行具合によっては血管の新生が間に合わず穿孔してしまいます。穿孔の危険性が出てきた場合には緊急手術が必要になります。

この子の目は、もともと露出気味で角膜に色素沈着が起きています。そして、ちょうど角膜の一番出っ張っている部位に傷がついてしまいました。そこは結膜から最も遠いところで、傷を治すために新生してくる血管が一番届きにくいところになります。はい。治りにくい所なのです。ではどうするか?結膜の血管を移植します。それが上の右側の写真です。11-12時の方向からピンクの結膜が垂れ下がって来て角膜にくっついています。正確に言うと結膜の中を走っている血管を傷口に届けています。

この子は無事傷が治り、日常の生活に戻りました。

ピンクの膜は取り除きましたが、状況に応じて付けたままにすることもあります。

視力に影響が出てはいけませんので、結膜は極力薄くして移植します。

極薄な状態のものを「シースループラップ」と言います。

結膜をかぶせても角膜が透けて見えます(下写真:左)

因みに、一般的な結膜フラップは下写真:右の状態です。

※写真撮影の時期が違いますのでイメージ図としてご覧ください

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