猫の角膜潰瘍(結膜フラップ術)
猫って機敏な印象ありますけど、角膜に傷をつけるのですか?
はい。犬程、頻度は高くありませんが、傷をつけてくることがあります。
そして、犬程、簡単には治らないケースがあります。
この子は担当の先生が治療をしていたのですが、改善がなく、むしろ悪化している為、紹介されました。手術には適応基準がありまして、それに合致した場合に行います。
猫ちゃんの目はとてもきれいです。
それを際立たせているのが虹彩なのですが、それは黄色から青色まで色彩が様々で、毛色との組み合わさると本当に目を綺麗にみせます。
そこに、上の写真のように結膜を被せると角膜が汚くなってしまします。治療としては正しいのですが、治癒したとしても喜ばれない事があります。当クリニックでは事前に術後の写真をお見せして上、手術を行っております。他の術式もございますのでご安心ください。
上の写真の解説です。
左側:術後の外観。右眼の角膜に結膜が見えます。痛みがないので目は開いています。
中央:術後1ヶ月。結膜がぴったりと張り付いています。組織反応もなく良好です。
右側:術後3か月。結膜除去後。角膜に張り付いた部位(病変)だけが残っています。
※角膜に残った結膜は徐々に薄くなっていきます。
犬の角膜潰瘍(結膜フラップ術)でも投稿しましたが、視力維持、角膜透明性維持を第一目標に治療する際は、透き通るくらい薄いシースルーフラップが必要です。