猫の眼内腫瘍
目の中に、ピンクの塊が出来ています。
痛みも出ているようです。
「先生、心配です。どうなるんですか?」
下の写真の子の相談ですが、ありますね。ピンクの......
目の中の白~ピンクのものは病気のサインです。
診察では、このサインをだす病気をリストアップし、鑑別リストを作ります。
そして、検査の組み合わせでひとつづつ除外していき、診断を下します。
この子の場合は眼内の腫瘍が疑われます。
診断方法は?
眼球摘出が一般的です。
「え?、診断下すためにとってしまうの?」
「腫瘍じゃなかったらどうしてくれるの?」
→「もっともな意見ですね。」
簡単に説明しますと、病気によって治療方法や予後(寿命)が変わるからです。
①悪性腫瘍ならば→ 命の問題が出てきます。残された時間を大切に過ごします。
②抗がん剤が効く腫瘍ならば→ 延命できます。治療開始です。
③腫瘍でなければ→ 命に別状ありません。
私どもは、動物の健康を守るために、最悪を想定して、検査を進めていきます。
従って、眼球摘出の結果をみて、「腫瘍じゃなくて良かった=最悪じゃなくてよかった=寿命に関係なくて良かった」と考えます。一方、最高を期待すると、「腫瘍じゃなかったらどうしよう....」と考え、摘出できません。それが見落としにつながり、救えるものも救えなくなってしまいます。最悪を想定していますので、眼球摘出の話をしてしまいます。
ご理解いただけましたでしょうか?
もちろん、飼い主様が嫌だと言えば、無理には摘出しませんから、ご安心を!!
良いことばかり期待してしまって不安になってきた時は、念の為最悪の話を聞きに、病院に来てください。専門病院では数々の相談事例をもとに、最適と思われる方法を提案してくれます。眼球摘出しないケースも多々ありますよ。