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犬の角膜潰瘍(Acell)

犬の角膜潰瘍シリーズです。

前回は角膜潰瘍(結膜フラップ術)でした。

今回は角膜潰瘍(Acell)です。

Acellとは会社名です。そこの商品で再生医療用のマトリックスがあります。

マトリックス?「ハイ」。それでは簡単に説明します。その商品(マトリックス)を欠損部位に置いてくると、そのマトリックス自体が構造体となり、欠損部位の再生を促します。???。「はい」もっと簡単に言うと、欠損部位を埋めてくれる商品です。

臨床現場では、それの応用として、角膜潰瘍(角膜の凹み)に使われています。

上の写真は、角膜損傷と角膜潰瘍の症例で、Acellで治療されています。

Acellは手技が簡単で、術後結果が良好なので、近年普及しています。

世の中では、Acell 良いよね。うちではもうAcellがメインかな?的な話題を耳にします。

それでは問題は全くないのでしょうか?

従来の結膜フラップ術と比較して考えてみましょう。

写真左:犬結膜フラップ、左中央:犬Acell、右中央:犬Acell、右:猫結膜フラップ

単純にどれが綺麗かって言われれば......

自分には、

①左の結膜フラップが一番きれいに見えます。

②左中央は段差もなく十分綺麗です。実症例はもっときれいです。

③右中央はAcellの強度が不十分で眼内容物が飛び出してきています。穿孔リスク有です。

④右は猫ですが、結膜を広範囲に覆っても十分透明感ありますし、穿孔するより安全です。

以上のことから、

私はセミナー等で獣医師にお話をする際、

Acellで良好な結果を出す条件として

①症例を選ぶこと、②合併症のリスク管理をすること。などをお薦めしています。

決して、技術的に簡単だからAcellではないのです!!

まと

Acellは素晴らしい技術です。

活かすも殺すも獣医師次第です。

適応症例を選びましょう!!

くどいようですが、簡単だからAcellではありません。

私は現在、師匠(オハイオ州立大学 獣医学部 教授)が大学病院で用いている方法を採用しております。専門病院では従来の結膜フラップ術からAcellまで対応可能です。その上で、個々の症例にあった最適な方法を選択いたします。簡単だからではなく、最適な時にAcellを選択いたします。

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