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白内障

  • animaleyeclinic
  • 2017年3月22日
  • 読了時間: 4分

愛犬の目の白さが気になる方へ

皆様ご存知の通り動物にも白内障があります。イヌ、ネコ、ライオン、チンパンジー、ウマ、ウサギなど様々などうぶつの白内障をみてきました。動物種によって発症パターンや原因は異なりますが、イヌでは人と違って若くして発症する子が多くなっています。犬種によっては遺伝的な要素も無視できません。白内障の原因は10あります。それを犬種、発症部位、年齢、全身状態等を加味し、特定していきます。水晶体の検査をするには散瞳処置(黒目を開く処置)が必須となります。人でも行う処置ですが、しっかり黒目を開くことにより、正確な評価が可能となります。これがとっても大切で、緊急性の高い濁りも早い段階で確認できます。あっという間に白くなってしまう子、後になって濁り以外の水晶体異常がみつかる子、手術をしても間に合わない子、そんなかわいそうな子が出てこないように目を凝らして1眼ずつ注意深く検査をしていきます。

要約

  • 白内障とは水晶体が混濁した状態

  • 失明にいたる疾患

  • 内科治療で白内障は治癒しない

  • 眼科検査機器の整った病院で眼科検査を受けてください。

白内障って何?

白内障とは水晶体が混濁した状態のことを言います。透明な水晶体が混濁することで光が網膜に届き難くなり視力障害の原因となります。また片目もしくは両目共に罹患することがあり、最悪失明にいたることがございます。発症パターンや進行パターンも様々ございます。

白内障の治療法?

現在、①白内障の進行を遅らせる、②発症を防ぐ、③混濁を取り除く内科治療方法はございません。獣医領域においては外科的摘出が唯一の白内障治療です。

白内障を疑った時にすべきことは?

片目、もしくは両目の白さに気がついたときは、眼科検査機器の整った病院で眼科検査を受けてください。レンズの評価、白内障のグレード分け、手術適期の評価、予後判定の為に必要です。水晶体が完全に白濁していなければ 網膜などの後眼部の検査を行えますが完全混濁している場合は、網膜伝図検査(ERG)、超音波検査(E-cho)によってその機能評価 を行います。また白内障の進行よって生じる失明のリスクを高める合併症を早期に発見しコントロールすることで手術の成功率が向上しますので、できるだけ早めに評価をうけ予後、問題点、治療方針などのお話し合いをし問題点を明確にしておくことが重要です。

どのような検査をするの?

白内障の範囲、部位、混濁の濃さ、進行具合、眼内炎症の有無、網膜の評価などを行います。検査結果により、手術をお勧め出来ないこともございます。片目のみの手術、もしくは両目同時の手術など、その子にあった組み合わせをご紹介いたします。白内障手術をお勧めするのは、白内障の進行によって著しく視力障害を受けることが予想される場合です。誤解されている事のひとつですが、白内障が完全に進行してしまってから手術をしたほうが良いというのは間違いです。 白内障手術は出来るだけ早くまた、適切な時期に行うことでよりよい結果が得られます。また術後合併症の機会も低減させられます。しかしながら、すべての白内障症例で手術が必要だとは限りません、もし動物の視力が傷害されていないのであれば、早急な手術は必要ないかもしれません。

両目の手術を勧める場合は、お話し合いのもとすすめていきます。状況によっては片目ずつの手術を勧めることもありますし、悪いほうの目からはじめることもありますが、通常両目同時う方法が一般的になってきております。手術の前に、どうぶつの一般状態のチェックを行います。血液検査、心電計検査、レントゲンなどが含まれます。

*現在、当クリニックでは検査と相談(2ndオピニオン)のみを行っております。

手術をしたら、どのくらい視力が戻るの?

視力障害の原因となっていた水晶体の混濁(白内障)を取り除くことで、劇的な視力の改善が見られます。手術を受けた子のなかには適応に時間がかかってしまう子もいます。新しく取り入れられな人口レンズ(IOL)によって早急にかつ鮮明に見る事が出来るようになります。状況によってIOLを挿入しないことがありますが、その場合には網膜に映る像はやや大きく、鮮明さに欠けてしまいます。遠くをみる時は視力は顕著に改善されるが、近くを見るときは正確さに欠くことがあります。 しかし、白内障形成前に特殊な環境で訓練を受けていたような子以外では、行動上の違いに気がつかないでしょう。

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